不思議にひと触れ

Kis-My-Ft2とその周辺について

未知との遭遇

お題「ジャニヲタになったきっかけ」

きっかけは、SMAPだった

先日、フジテレビで27時間TVが放送されていた。
めちゃイケメンバーとSMAPの水上騎馬戦対決を眺めながら、私はふと「キスマイを好きになってから、もう1年が経ったのか」と思った。
そう。何を隠そう、私は去年の27時間TV内で放送された『スマップbusaiku⁉︎』出のキスマイファンなのである。
『キスマイbusaiku⁉︎』という番組が深夜帯に放送されていることは何となく知っていたが、通して番組を見たことも無く、キスマイについての知識もほぼ無かった。(「Kis-My-Ft2」の読み方だとか、何人組かも知らなかった。)
ただ、SMAPがメインパーソナリティーを務めた昨年の27時間TVは、茶の間ファンの自分でも「やっぱりSMAPは、面白くって格好いいな。さすがだな。」と唸らせられるような魅力的で見応えのある企画が多く、その流れでスマブサも、一応チェックしておこうとチャンネルを合わせたのであった。
スマブサ自体は、生放送という事もあり、いかにもぶっつけ本番というか、行き当たりばったり感は否めなかったが、女子ウケを求めて見目良い男性たちがあの手この手で奮闘する姿を見るのは、やはり楽しかった。
「普段はどんな感じでやってるのかな」と興味を持ったのが、レギュラー放送の『キスマイbusaiku⁉︎』を見始めたきっかけである。

キスブサは、想像以上に面白かった。
毎回一つのお題が出され、キスマイメンバー7人はそのテーマに対し『いかに女心を掴むか』という観点で、自分が最もカッコいいと思うセリフや振舞いを盛り込み、数分のVTRを用意する。 それをキスマイファン以外の女性100人が審査し、1位〜7位まで順位付けされたものをメンバー7人+その回のゲスト+佐野瑞樹アナで、スタジオであれやこれや言いながら見ていく…というのが、番組の主な流れなのだが、意外だったのが、キスマイ(特に下位メンバー)の行動や言動が、女心のツボから結構ズレているという事だった。
スマブサの時も、藤ヶ谷さん、玉森さんあたりは、まあ見れるかな…他のメンバーは…という感じだったが、あれは生放送。しかも大先輩のSMAPとの共演で彼らの緊張度もMAX状態であったようなので、きちんと対策を練り、考える時間を与えられるレギュラー放送ではまた様子が違うんだろうと思っていた。
確かにキスブサでは、ある程度流れも整えられ、盛り込まれる要素も多く、VTRとしての完成度は格段に高かった。しかし、下位のソレは、やはり女子ウケのポイントからは毎回かなり外れていた。

普通の一般男性ならいざ知らず、ジャニーズアイドルともなると、幼い頃から多くの女子の歓心を得るべく、ありとあらゆる術を身につける、というイメージだ。それが実を結び、人気を博したからこそ、彼らはCDデビューも果たしているのであろう。年若い頃から黄色い歓声を一身に浴び、おそらくリアルの生活においても異性からは引く手あまた。モテという観点では常に、ヒエラルキーのトップであったのではないだろうか。いわば彼らは乙女心を掴むプロのような存在であるのだから、当然、女子の扱い方なんて心得たものだろうという先入観があった。
しかし、フタを開けてみれば「え、ソレやっちゃう? ソレ言っちゃう?」のオンパレード。もちろん、ウケ狙いや画的なインパクト等を考え、多少オーバー気味にやっている部分もあるとは思うが、それを差し引いても、特に下位6・7位あたりは、女子の胸キュンポイントからのズレっぷりがすさまじく、毎回そこらのコントを見ているよりよっぽど面白かった。(※注・褒めてます。)
そんなわけで、キスブサを見始めた当初は、自分の実体験等も思い出したりしながら、男女間の価値観のギャップや感性の違いなど、どちらかというと制作側が意図する番組の狙いのような部分を楽しんでいたのだが、回を重ねるごとに、徐々にキスマイメンバー本人たちに興味を抱くようになった。

とにかくメンバー達の、あらゆる場面でのリアクションが良い。各自VTR中の迷言・珍行動には爆笑し、突っ込み、的確でセンスのあるセリフや振舞いには口々に歓声を上げ褒め称える。
また、VTRの映像には、審査した女性達の批評コメントがtweetのごとく逐次テロップで挿入されるのだが、上位者への称賛に対して、下位者へは非常に辛辣で容赦の無い一言が飛び交うため(例『キモイ』等)  、最初は私も「ジャニーズの人にこんなこと言っていいのか…⁉︎」と軽く衝撃を受けた程だった。しかしメンバー達はこれに対しても、多少メゲながらも茶目っ気たっぷりにブーたれたり、拗ねたり、時にドヤったり、全身で一喜一憂する姿が、学祭等のイベント事に興じる男子校の学生的わちゃわちゃ感を醸し出しており(はい、女子がすごく好きなやつですね)、「なんて楽しくて愉快なあんちゃん達なんだ…!」と、どんどん好感を持っていった。

あの番組の良いところの一つに、必ず7人全員のVTRが放送されるという事が挙げられると思う。よくあるバラエティのように、その日インパクトの強い発言をしたり、良いリアクションをした人だけがピックアップされるのではなく、毎回必ずメンバー7人全員に一定の持ち時間が用意されているのだ。しかも、『○位△△□□』と、順位+フルネームがバーンと画面全体に表示されてからVTRが始まるため、本人たちの顔と名前を、私はかなり早い段階で覚えることが出来た。加えて、各自VTRの内容はメンバー自身が考えているという事で、回を追う毎に、それぞれの性格や考え方の傾向、得手不得手の分野など、メンバーの個性や人柄が自然と分かってくる寸法だ。つくづく、売り出し中のアイドルにとっては、良い番組である。
まあ、それはともあれ、キャラクターが分かってくると、彼らに対してさらなる親近感、関心が湧いていった。

余談だが、私は当時ジャニーズアイドル(SMAPや嵐などの国民的売れっ子で場数踏んでいる人達は別として)、特に二十代前半くらいまでの若手の人達に対しては、『爽やかでイイ子だが、喋りもやる事もあまり面白くなく、そもそも自分(たち)が主体的に場を盛り上げようとする気が無い』という偏見を持っていた。バラエティー番組などのゲストで登場しても、画面に花を添える要員というか、それがたとえ自分たちのレギュラー番組だったとしても、どこか受身で、基本的に自分(たち)のスタンスを崩さない人達というイメージだった。(ハイ、今ならソレがどんなに誤った認識か分かります。SEXY ZONEのケンティーとか、スゴい面白いですよね…)
だが、キスマイはそんな当時の私の勝手なイメージとは大きく駆け離れていた。誰かが放った一言や振りに対して瞬く間に複数の反応が返ってくる。トークの瞬発力と連動性が良いな、というのは最初の頃、特に感じたことだった。粗さや拙さも見えるし、時には空回りだってするけれど、自分たちが場を盛り上げよう、番組を面白くしよう、求められるものを察知し、それ以上のものを出してやろうというアグレッシブな気概に満ち溢れているように見えた。
特に、比較的早い段階に、キスブサの『舞祭組スカイダイビング・第一弾』を見たのは大きい。彼らにNGは無いのか⁉︎ とこちらが若干心配になるほど、およそジャニーズらしくない体当たりで無防備な姿や絶妙なリアクション芸で笑いを提供しつつも、飛びきった後の舞祭組4人の言葉は、自分たちの現状や物事の本質を捉えた名言連発で、それを見守るフロントメンバー3人の姿も含めて、思わずホロリとさせられる、神回だった。個人的に、見ると非常に元気を貰えるため、今でも定期的に見返す回である。
無茶振りされても全力で、無骨に、時にユーモラスに立ち向かう。スベッても、次の瞬間には取り返しに行こうとする。ジャニーズだけど、こちらが突っ込んでもいいんだと思えるような親しみやすさと気取りの無さを持った彼らのキャラクターは、とても新鮮だった。

そしてある時、キスブサの過去映像を何度目かで見返している際(うーむ我ながらこの時点でかなりキテますね…)、バックで流れている、このやたらポップでキャッチーな曲は、もしかして彼ら自身の持ち歌ではないか、という考えに至る(遅い)。
そう、最近こそ、その時々のシチュエーションに応じた著名なJ-POP曲(西野カナケツメイシ等)が使われる事がほとんどだが、初期の頃のキスブサは、BGMにキスマイ自身の楽曲が使用される機会が多かった。
というわけで、耳についた歌詞を頼りに検索し、曲名を知る。爆笑。『キ・ス・ウ・マ・イ〜Kiss your mind〜』て‼︎  なぜせめて『Kiss your mind』ではいけないのか? タイトルからしてスゴい! やっぱジャニーズ恐るべし‼︎‼︎ (関係各所、スミマセン。今では笑いつつも、めっちゃ大好きです。) 
小中学生以降、SMAPや嵐等の一部のヒット曲以外、アイドル楽曲をほとんど耳にして来なかった身にとって、純正アイドルソングは非常にインパクトが強かった。
だが、歌詞など色々調べていく内に、そのキッチュでチャーミングなアイドル特有の世界観が何だか楽しくなってきて、ジャニーズソングというものに対し若干の抵抗を感じつつも、彼ら自身が歌っているところも見てみたいな、という気になった。キスブサのカラオケ回で皆、意外に歌が上手いという印象を持っていた事も大きかった。(藤ヶ谷さん、北山さんは元より、他メンバーも普通にカラオケがうまい男子、くらいには上手だと思っていた。横尾さんに関しては、まあ、一般的に考えたら、普通はこんなもんだよね…という感じ。)
という事で、やっと、やっと、キスマイの歌唱&ダンスパフォーマンスを目にするに至る。すると、「え、なんか結構、聴きやすくて良い歌多い… (チュッチュチュッチュ言ってたり全体的に歌詞はスゴいけど…) 歌やっぱ上手くないか? ラップもニュアンス出てて、違和感なく曲にハマってるし。ハイテンポな曲多いけど、ガシガシ踊ってて、なにげにダンス上手いよね?…みんなカッコいいじゃん…‼︎ アイドルって、楽しい…‼︎」
という事で、そこからは、転げ落ちるみたいに加速してCrazyAccel(by.ABC-Z)のごとき一途をたどり、今ではキスマイのレギュラー番組は毎週録画&複数回リピート、歌番組は高画質で録画&Blu-ray保存、CDが出たら多種購入、という有様である。しかし、楽しい。本当に楽しい。
たしかに約一年間、彼らの活動を追ってきて、時に苦さを感じることもあった。だがやはり、それを含めても、彼らや彼らを取り巻く世界は実に興味深く、魅力的で、なかなか目を離さずにはいられない。
私の知らない、今まで見ようともしていなかった場所には、こんなに楽しく憎めない、何とも素敵なやつらが存在していた。
この世界には、まだまだ不思議と未知が溢れている。我ながら大げさだなとも思うが、それが今の正直な気持ちだ。
教えてくれた彼らには、ただただ感謝である。
Kis-My-Ft2の皆さん、デビュー4周年、本当におめでとうございます。